地下水(井戸水)の水質について、イマイチ良く分からないという人の方は、是非ご一読ください。

地下水(井戸水)の水質について

地下水は、水道水のように『安全』であるとは限りません。水道水よりも美味しい水が出る地域もあれば、細菌や大腸菌などが検出される地域もあり、成分の違う水がたくさん存在します。
これは、その地域の土壌と井戸の深さが大きく関係します。地面の下は、砂、粘土、礫、岩盤など、様々な地質層により構成され、その幾多もある地層の中を水が流れていますので、「水を採取しようとする井戸の深さ」が構成している地質によって、水質もまったく異なるということなのです。
地下水には「一般細菌や大腸菌が出る」「鉄分が多く含まれる」「臭いがある」などが検出されることもあります。これらの場合は、飲むと体調を崩す恐れもあります。

水質検査の必要性

水道水には、様々な水処理が施されており、水質基準を満たす範囲で「飲んでも安全な水」とされています。しかし、地下水には「飲んでも安全な水」であるかの判断ができません。そこで登場するのが「水質検査」です。水質検査とは、水に含まれる様々な成分を分析し、報告書を作成してくれます。
水道法による水質基準は下記の通りです。(2007年7月)

項目 水道法による水質基準
一般細菌 (1mL中) 100以下
大腸菌 検出されないこと
カドミウム及びその化合物(mg/L) 0.01以下
水銀及びその化合物(mg/L) 0.0005以下
セレン及びその化合物(mg/L) 0.01以下
鉛及びその化合物(mg/L) 0.01以下
ヒ素及びその化合物(mg/L) 0.01以下
六価クロム化合物(mg/L) 0.05以下
シアン化合物イオン及び塩化シアン(mg/L) 0.01以下
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素(mg/L) 10以下
フッ素及びその化合物(mg/L) 0.8以下
ホウ素及びその化合物(mg/L) 1.0以下
四塩化炭素(mg/L) 0.002以下
1,4-ジオキサン(mg/L) 0.05以下
シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン(mg/L) 0.04以下
ジクロロメタン(mg/L) 0.02以下
テトラクロロエチレン(mg/L) 0.01以下
トリクロロエチレン(mg/L) 0.03以下
ベンゼン(mg/L) 0.01以下
塩素酸(mg/L) 0.6以下
クロロ酢酸(mg/L) 0.02以下
クロロホルム(mg/L) 0.06以下
ジクロロ酢酸(mg/L) 0.04以下
ジブロモクロロメタン(mg/L) 0.1以下
臭素酸(mg/L) 0.01以下
総トリハロメタン(mg/L) 0.1以下
トリクロロ酢酸(mg/L) 0.2以下
ブロモジクロロメタン(mg/L) 0.03以下
ブロモホルム(mg/L) 0.09以下
ホルムアルデヒド(mg/L) 0.08以下
亜鉛及びその化合物(mg/L) 1.0以下
アルミニウム及びその化合物(mg/L) 0.2以下
鉄及びその化合物(mg/L) 0.3以下
銅及びその化合物(mg/L) 1.0以下
ナトリウム及びその化合物(mg/L) 200以下
マンガン及びその化合物(mg/L) 0.05以下
塩化物イオン(mg/L) 200以下
カルシウム、マグネシウム等(硬度)(mg/L) 300以下
蒸発残留物(mg/L) 500以下
陰イオン界面活性剤(mg/L) 0.2以下
ジェオスミン(mg/L) 0.00001以下
2-メチルイソボルネオール(mg/L) 0.00001以下
非イオン界面活性剤(mg/L) 0.02以下
フェノール類(mg/L) 0.005以下
有機物(全有機炭素(TOC)の量)(mg/L) 3以下
pH 値 5.8~8.6
異常でないこと
臭気 異常でないこと
色度(度) 5以下
濁度(度) 2以下

飲用として地下水を利用されている方は、上記項目のうち、1つでも基準値を超える項目があった場合は、直ちに飲用を中止してください。あなたの健康を損なう恐れがあります。一般細菌や大腸菌は『除菌器』を、鉄・マンガンの場合は『除鉄・除マンガン槽』を、臭気・色度・濁度については『浄水器』を取り付けるなどの対策を行うことによって、基準値以内に抑えることが可能な場合もございますので、ご相談ください。

完全な雑用水として地下水を利用される場合は、それほど気にすることではないので、水質検査を行う必要はありません。但し、地下水を利用した後、綺麗な水で手洗い等をすることをお勧めします。