昔から人々の生活に欠かせないものとして、井戸は存在していました。しかし、現代では井戸を見かける機会は少なくなり、井戸の歴史を知る人も減少しています。
そこで少しでも井戸について興味を持っていただけるよう、このようなページを作成いたしました。
知られざる井戸の歴史と、人と井戸の繋がり、井戸の種類などをしっていただけたらと思います。

井戸の歴史と、人と井戸の繋がり

昔、人は川の近くに集落を作り、川辺で洗濯や水汲みをしていたのですが、後に堰(せき)を作り、水を溜めて使用するようになったのです。その後、山の麓に横穴をあけ、地下水を溜めて使用するようになったため、川辺から山の麓へと移り、更に地面に縦穴を掘れるようになった頃には、人々は地下水のある場所ならどこでも生活できるようになったとされています。
このように、人は水と共に生活してきました。水がなくては生きていけないからです。集落には必ず井戸があり、とても重宝されてきたのです。人々は、水を汲みに行く度に、いろんな人と会話を楽しんだそうです。その風景から『井戸端会議』という言葉が生まれました。
井戸は、人々の生活を支えるためだけではなく、コミュニケーションの場として人と人との繋がりを大切にしてきたのです。

井戸の仕組みと種類

井戸とは地面に穴を掘り、その穴の中に地下水を貯めて利用する施設を『井戸』といいます。水脈まで穴を掘れば、自然と水が湧いてきますので、水がある限り半永久的に水が利用できます。
井戸と言えばどんな井戸を思い浮かべますか?恐らく映画「リング」に出てくるような井戸が出てくるのではないでしょうか?現代では井戸の種類は大きく分けて3つに分類できます。地方により様々な呼び名が異なりますが、基本的な構造は同じです。

打抜き井戸(打ち込み井戸)

掘削機等を使用せず、打撃だけの力で、パイプを地中に打ち込んでいく井戸です。パイプ径は32mm~50mmが一般的です。パイプの最下部にはストレーナーを設置し、そのストレーナー位置の地下水を取水する。

掘井戸(丸井戸)

直径0.7m~2mの穴を掘り、地下水の水脈に到達するまで穴を掘り続けます。昔は完全な手掘りで、掘削中に壁が崩落しないよう、石を積んで補強しながら掘削するという方法だったらしいのですが、当社では、石積みではなく、コンクリート製井戸ガワを入れて補強します。地下水が浅い場所に設置されていることが多いです。

ボーリング井戸(深井戸)

掘削機を用いた最新の井戸です。ボーリングマシンで地中に穴をあけ、ケーシング(井戸管)を挿入します。ケーシングには、ストレーナー加工を施し、水を呼び込みます。水脈が深い地域で利用されることが多く、雨などの影響により水が濁ることが少ないのが特徴です。

これらの井戸は、使用場所や用途によって使い分けされます。打抜き井戸は主に雑用水、掘井戸は畑などの散水、ボーリング井戸は飲料水などに使用されることが多いです。