井戸を新設した後の、水道料金の変化や、運用コスト面について実体験を元にご紹介していきます。
基本情報
データを採取した基本情報は下記の通りです。
計測地 | 愛媛県松山市西長戸町内 |
使用対象 | 家庭用一般住宅 (飲料・生活用水) |
居住対象人数 | 5名 (大人2名+子供3名) |
水道仕様 | 専用栓 一般用 口径13mm |
設置井戸仕様 | ボーリング井戸 φ100mm |
設置給水ポンプ | 川本ポンプ 200W |
その他給水機器 | なし |
下水道について | 合併処理浄化槽 設置地域 |
電気料金単価 | ¥26.5円/kWh |
※上水道は直接、台所に1箇所のみ。他は全て井水専用配管とし、クロスコネクションはしておりません。
水道料金の変化と、運用コスト
井戸を設置する前と後では、水道料金が下記のように変化しました。
月日 | 使用水量
(導入前) |
水道料金
(導入前) |
使用水量
(導入後) |
水道料金
(導入後) |
ポンプ
電気代 |
2-3月 | 74 m3 | ¥13,470- | 0 m3 | ¥1,500- | ¥263- |
4-5月 | 75 m3 | ¥13,725- | 20 m3 | ¥2,200- | ¥266- |
6-7月 | 86 m3 | ¥16,530- | 0 m3 | ¥1,500- | ¥306- |
8-9月 | 77 m3 | ¥14,235- | 0 m3 | ¥1,500- | ¥274- |
10-11月 | 83 m3 | ¥15,765- | 1 m3 | ¥1,535- | ¥295- |
12-1月 | 60 m3 | ¥9,900- | 0 m3 | ¥1,500- | ¥214- |
年間合計 | 455 m3 | ¥83,625- | 21 m3 | ¥9,735- | ¥1,618- |
※ポンプ電気代は、前年度の使用水量を基に、ポンプの給水能力から稼働時間を求め、電気料金単価を掛け合わせることで、集計期間(2ヶ月毎)のポンプ電気料金を算出しています。
¥83,625(導入前) - ¥11,353(導入後) = ¥72,272(メリット)
ランニングコストで言えば、設置前と後では年間¥72,272もの差額が発生しました。1年間でこれだけの差が生まれるということは、単純計算で言えば10年後には、¥722,720という多額の差になります。
導入までの初期投資を考えれば、5~10年ほどで回収できる計算です。ただし、誰でも同じ条件というわけではなく、良質な地下水が眠っている地域で活用した場合ですので、除菌器や除鉄・除マンガン槽、浄水器などを設置した場合は、コストも増大し、回収までに20年以上必要となるケースもあります。
ですので、今回掲載したデータは”井戸に適した地域”に導入した場合となります。
あと、余談ですが井戸設置後には、水道料金を気にする必要がなくなりましたので、ガーデニングや洗車に使用する機会が増え、使用水量は導入前よりも増加しているのは間違いありません。